オーストラリア日記③~エコテック部 土井君・レース開始からゴールまで~

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 朝4時に起床。トラックに荷物を詰め込み、スタート会場へ。ソーラーカーを下ろし、駐車場へ並べる。少し待ってると、トラックへ乗れとの命令が。それまでは指令車というソーラーカーの後方を走行する車に乗る予定だったが、急に変更になり衝撃を隠せなかった。

大人しくトラックに向かい、1時間ほど待ってると、スタートの合図が。それと同時にトラックも発車したが、スタート後1時間以上はソーラーカーの行方を確認することができなかった。ソーラーカーが予想以上に前を走っていたのである。ただ、確認後はソーラーカーとある程度距離を取って走行した。

順調に走行していると思われたが、バッテリーの残量が減り緊急停止。この日はスタートから7km進んだ所で終わった。

 

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 スタートから2日目。朝早く起きてトラックへ移動。ソーラーカーの再走行場所へ移動してソーラーカーを下ろし、8時頃にスタートする。この日は朝から沢山充電することができ、ある程度充電が溜まっている状態でスタートできた。

しばらくは順調に走行していたが、急に左前のタイヤから煙が。どうやらパンクだそうで緊急停止。タイヤ交換を無駄なく進める為に、道具を用意し、必要な物を現場へ持っていく。

タイヤ交換後は安定して走行していたそうで、トラブルもなく、野営ポイントへ着いた。

 

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とてつもなく寒い朝だった。カッパとして持ってきた上着を防寒具代わりにして、寒さをしのぎつつ、ソーラーカーをトラックから下ろした。

8時頃走行開始。途中のコントロールストップのカルゲラまでノンストップで走行。前日と違い雲一つ無い快晴。そこからは安定したペースで走行し、次のコントロールストップのクーパーペディを目指した。

ところが、ソーラーカーが急に路肩に停止。とりあえず持っていけと言われた道具を持っていき作業をする。自分は後続の車両にいたため今でも何が起こったのか理解出来ていないが、教頭先生の機嫌から察すれば大きなトラブルでは無かったのかなと思う。

車両のトラブル(?)の修繕も終わり、コントロールストップを目指していると、急に後ろからセーフティーがやってきて、止まれとの指示が。

その後はソーラーカーを充電しつつ、夕食をとり、宿泊場所へ移動した。

 

 

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今日の朝も極寒だった。震える手を抑えながらテントを片付け、ソーラーカーを再走行&充電するための場所に移動し、そこで朝食をとり出発。アデレードのゴールまで残り約200kmほど。

アデレードに近づくにつれ、風景も変わっていった。永遠に続く地平線から緩やかな丘と小麦畑が広がる地域になる。それと同時に建物や自動車の数も増え、ソーラーカーの走行に余計に気を配る状況へと変化した。街に近づいていくと、車線や信号の数が増えるので、ルートマップで確認しながらどの車線で行くのが安全か、信号の色の確認など今までの走行ではあまり見られなかったものが増え、少々混乱した部分もあった。

いよいよアデレードの街に入り、ゴール付近まで来る。ここからは先導車後続車トラック共に入れないので、少し離れた場所にあるF1で市街地コースとして使用されたことのある公園に車を止める。この場所は元サーキット跡ということもあり、縁石や白線の跡などが残っていた。まるで野呂山にかつて存在した野呂山スピードパークのようだった。

ゴール地点までは公園から送迎してくれるシャトルバスに乗車して向かった。ゴール地点に着き、驚いたのは会場の雰囲気。全員が何かのお祭りのように盛り上がっていて陽気なオーラがそこら中に湧いていた。

夢創心がゴール地点に来たのはそれから15分後くらい。いざゴールの時となり、写真撮影になるとやはり緊張した。沢山の方が写真を撮って下さって本当に感謝。

ゴール兼写真撮影が終わった後は、ソーラーカーを車両保管の場所に移動させてから、宿泊地に移動した。近くの海はとても美しく、まだ寒い季節だが思わず海に引き込まれるような感じがした。

明日はパレードがあるそうなので、元気よくやりたい。

wsc2017goal